● 発刊の目的

さまざまな機械や機器に組み込まれ、その制御を行うコンピュータシステムである組込みシステム市場の動向が近年注目度を浴びています。

組込みシステムの特性は、(1)専用化されている、(2)リソース制約が厳しい、(3)高い信頼性が求められる、(4)リアルタイム性が求められる、の4点に集約されます。 また、対象となる具体的な製品領域は、情報家電は勿論、通常の家電やプリンタ等の周辺機器、エアコン、POSシステム、銀行のATM、電車のATC、自動車のEFI、飛行機のFly-by-Wire、産業用ロボットやNC工作機械、電話の交換機、検査機器、などさまざまな領域を含んでいます。

経済産業省は『2005年版　組込みソフトウェア産業実態調査報告書』の中で、国内の組込みソフトウェアの開発規模を2兆4,000億円、組込みソフトウェア技術者の合計を17万5,000人と発表しています。この開発規模に対して、内製部分や２次請け、３次請けのダブルカウント分を除いた、組込みソフトウェア開発とソフトウェアパッケージにおける外販の市場規模はいくらなのかを推定することが本資料の第一の目的となっております。

また、組込みソフトウェア開発だけではなく、組込み総合ベンダーのボードやコンポーネントといったハードウェア関連、RTOS、ミドルウェア、ツールなどソフトウェアパッケージ市場の動向も合わせて調査し、システム開発を中心とするサービス関連売上と合わせて、ソリューション市場を俯瞰した資料といたしました。

● 資料のポイント

●組込みシステム関連市場規模、2004年度766,380百万円、2009年度には1,510,000百万円にまで拡大

●組込みシステム関連市場の内、システムの受託開発を中心とするサービス関連のウエイトは69％

●対応製品別、プロセッサ別、直接販売の系列販売、リソースの実態等詳細分析

●主要ベンダー46社の徹底調査を元に、組込みベンダー552社の市場規模を予測

● 資料内容

第Ⅰ章　組込みシステムソリューションの定義

第Ⅱ章　市場トレンド

• 第１節　組込みシステムソリューション市場　全体トレンド
  • 2004年度の組込みシステムソリューション市場の市場規模は、ハードウェア関連、ソフトウェア関連、サービス関連を合わせて766,380百万円であった。
  • ハードウェア関連は142,230百万円、ソフトウェア関連は95,890百万円、サービス関連が528,260百万円の市場規模のバランスである。
  • この市場は今後も堅調に推移していくものと考えられ、2005年度から2009年度まで年平均14.5%の成長率で推移し、2009年度には1,510,000百万円にまで市場が拡大する。

• 第2節　調査企業46社の市場シェア
  • 調査企業46社（個票あり企業）の組込みシステムソリューション市場全体（ハード＋ソフト＋サービス）におけるシェアは、トップが富士ソフトABC、2位が日本電気通信システム、3位が東芝情報システムの順。
  • カテゴリ別にみると、ハード関連では東芝情報機器、ソフト関連ではマイクロソフト、システム開発等サービス関連では富士ソフトABCがトップ。

第Ⅲ章　組込みシステムソリューションベンダーの経営指標

• 第１節　主要ベンダー23社の売上総利益（粗利）率
  • 主要ベンダー23社の売上総利益率は18.0%。
  • システム開発の受託中心のベンダーの粗利は総じて低め、ソフトウェアのライセンス販売中心のベンダーおよびボード等ハードウェア販売中心のベンダーの粗利は総じて高めに推移

第Ⅳ章　組込みシステムソリューション　プロセッサ別売上構成

• 第１節　調査企業46社（内回答企業33社）のプロセッサ別市場構成
  • 主要ベンダー46社（内回答企業33社）のプロセッサ構成比は、32ビットプロセッサが全体の85.5%を占め圧倒的比率

第Ⅴ章　組込みシステムソリューション　製品分野別売上構成

• 第１節　調査企業46社の製品分野別市場構成
  • 携帯電話を中心とする民生用通信端末分野が最も高く、全体の約3割を占める。2003年度までのウエイトはさらに高かった模様で、このウエイトはやや下がった状況であるものの、今後も市場を牽引する見込み。

• 第2節　調査企業46社の製品分野別シェア
  • AV機器、家電機器、個人用情報機器、OA機器・コンピュータ周辺機器、工業制御/FA/産業機器の5分野で富士ソフトABCがトップシェア。　
  • 教育・娯楽機器、運輸/建設機器、設備機器の3分野でCSKシステムズがトップシェア。
  • 民生用通信端末、通信設備機器の2分野で日本電気通信システムがトップシェア。
  • 医療機器、分析・計測機器の2分野では、マイクロソフトがトップシェア。

第Ⅵ章　組込みシステムソリューション　国内･海外売上高構成

• 第１節　調査企業46社の国内売上高比率は99.1％
  • 調査企業46社の組込みシステムソリューション売上の国内・海外売上高構成比は、国内売上が全体の99.1%と圧倒的比率

第Ⅶ章　組込みシステムソリューション　直接間接販売比率

• 第１節　調査企業46社の直接間接販売比率
  • 調査企業46社の直接販売比率は、2004年度96.9%。また、直接販売に占める系列企業向け売上比率は、37.1%、非系列向け比率は62.9%

第Ⅷ章　組込みシステムソリューション　リソースの実態

• 第１節　調査企業46社の技術・開発リソースと営業リソース
  • 調査企業46社の技術・開発のリソースは、プロパーおよび協力会社合わせて28,432人、営業リソースは595人
  • 市場全体におけるプロパーの技術・開発リソースの総数は、約43,200人。技術・開発リソースの4割強は協力企業、所謂外注で占められる

• 第2節　リソース1人当たり生産性
  • プロパーと協力企業（外注）を合わせた技術・開発1人当たりの生産性は1,023万円、営業リソース1人当たりの生産性は、48,895万円、技術･開発と営業合わせた1人当たりの生産性は1,002万円

• 第3節　海外リソース（オフショア開発）について
  • 積極的にオフショア開発を推進していく考えのベンダーは極めて少数。殆どはオフショア開発に悲観的な見解を持つ

第Ⅸ章　組込みシステムソリューション市場への提言

第Ⅹ章　個別企業実態編（46社）

● 個票内容

• 1.企業概要
• 2.組込みソリューション関連売上高（ハード/ソフト/サービス）
• （ハードウェア・・・プロセッサ、ボード、コンポーネント、HW設計・開発・製造）
• （ソフトウェア・・・RTOS、ミドルウェア、開発ツール、その他ツール）
• （サービス・・・プラットフォームのカスタマイズ、アプリケーション開発、検証、コンサルティング、教育、サポート）
• 3.組込みソリューション売上高の経営指標
• 4.組込みソリューション関連売上のプロセッサ別構成比
• （64ビット、32ビット、16ビット、8ビット、4ビット、DSP、その他）
• 5.組込みソリューションに占める採用OS
• 6.組込みソリューション売上の製品分野別構成比
• （AV機器、家電機器、個人用情報機器、教育・娯楽機器、OA機器・コンピュータ周辺機器、業務用端末機器、民生用通信機器、通信設備機器、運輸/建設機器、工業制御・FA・産業機器、設備機器、医療機器、分析・計測機器、その他）
• 7.組込みソリューション売上の国内/海外売上高構成比
• 8.組込みソリューション売上の販売先構成比と主要販売先
• 9.組織体制とリソース
• 10.開発体制のオフショア戦略
• 11.今後の組込みソリューション戦略と自社アドバンテージ

● 個票企業実態・掲載企業一覧

• 富士ソフトABC
• 日本電気通信システム
• 東芝情報システム*
• 日立アドバンストデジタル*
• 日立ソフトウェアエンジニアリング
• オムロンソフトウェア
• NECシステムテクノロジー
• 日本システムウェア
• CSKシステムズ
• ザイリンクス
• NECソフト*
• アバールデータ
• 富士通コンピュータテクノロジーズ
• マイクロソフト*
• 日立システムアンドサービス
• 富士通ビー・エス・シー
• シーエーシー*
• 沖情報システムズ
• アプリックス
• ウインドリバー*
• エヌアイデイ
• イーソル
• アイネット
• 三菱電機インフォメーションシステムズ
• クレスコ
• 日新システムズ
• 東信電気
• 日立インフォメーションテクノロジー
• オージス総研
• 沖通信システム
• 東陽テクニカ
• モンタビスタソフトウェアジャパン*
• ガイオテクノロジー
• アドソル日進
• 東電ユークエスト
• パーソナルメディア*
• 富士通ソフトウェアテクノロジーズ
• エプソンアヴァシス
• ワイ・デー・ケー
• リネオソリューションズ*
• メンター・グラフィックス・ジャパン*
• 沖ソフトウェア
• エヌ・ティ・ティ・データ・アイテック
• サティヤムコンピュータサービスリミテッド
• レッドハット*
• [*]は簡易個票スタイル