社長メッセージ―四半期別経済環境と事業動向

●2016年

2016年全般の社長メッセージ
2016年(暦年)の日本経済は2015年後半に発生した中国の大幅な経済減速の影響から抜け出し、実質成長率増を辛うじて達成しました。個人消費については、雇用者報酬が2.6%増となったにも係らず、少子高齢化で貯蓄を取り崩して生活する高齢者が増え、年間通して消費手控え傾向が続きました。微増(1%増)ながら日本経済の成長を支えたのは外需と民間企業の設備投資や民間住宅着工でした。
当社のドメインとしているICT市場については、当社試算で横這いでした。1-6月の前半は大手銀行や大手製造業のシステム統合・システム更改が終息し、マイナンバー需要もピークが過ぎ、減少。後半は製造業の建機や各種設備、医療機器などでIoT/M2Mを活用した遠隔監視システムソリューションの実需が発生し始め、流通・サービス業分野のPOSデータやソーシャルメディア情報を活用したBI及び需要予測の構築需要も増えています。更に大手企業におけるERPや基幹業務システムのプライベートクラウド構築が目立ちました。
当社の当26期の課題は、24期の後半から2年に渡って続く事業承継問題を解決し、経営を安定させ、将来ビジョンを打ち出すことでした。8月1日の臨時株主総会でようやく後継者人事を成し遂げ、人材不足で解体の危機に瀕していたセクションを立て直し、組織の陣列が整いました。以上の経営改革によって売上は前年比2.1%増の89,403千円と、25期からの売上減少傾向を食い止めることが出来ました。
これを事業別に見ますと、自社企画資料については、制作本数は25期と同じ21タイトルですが、前年比7.0%増と好調でした。定番資料が安定して売れると同時に、新規企画資料の2タイトルがニッチ市場ですが、マーケットインのニーズ取り込みに成功し、全体の売上を押し上げました。プレスリリースやFacebookなどでの広報活動も功を奏しました。
受託調査については第3四半期の大幅減少が響き、前年比10.2%の減少でした。「第3四半期の業績概況」でコメントしたように、ここに事業承継からくる人材不足問題が端的に表れ、一部セクションで提案営業や顧客のニーズを汲み取った調査項目の設定が出来ていなかったのです。組織が整い、ベテラン社員も採用し、安定した経営環境となりましたので、人材育成をしつつ、アグレッシブな提案営業をしていく計画です。
利益につきましては営業利益3,057千円(前年比365.1%)、経常利益3,078千円(前年比373.4%)、純利益1,909千円(前年比573.2%)と大幅に好転しました。売上増分の1,868千円がそのまま利益に乗っています。
なお、これで創業よりの経営三指針、「黒字決算」「社員昇給」「夏・冬賞与支給」を、26期連続達成することができました。
2016年第4四半期(10-12月)の社長メッセージ
平成28年10-12月の国内景気は4四半期連続、マイナスではないが低調です。GDP数値で見ると、第1四半期の実質0.6%増を除いて、毎四半期0.4%以下の僅かな伸びです。個人消費については、少子高齢化で貯蓄を取り崩して生活する高齢者が増え、消費手控え傾向が続いています。設備投資については、大手企業中心にICT投資などの貢献で実質0.9%増と伸びています。当社のドメインとする同ICT分野は第4四半期に好転し、当社試算で1~2%増とGDP数値と比べて堅調です。ただし業種によって動向が異なります。公共分野はマイナンバー需要が終息し、従来からのコスト削減志向が表面化し、減少です。金融分野はシステム統合・更新需要のピークが過ぎ、減少傾向です。製造業分野では、基幹系やERPシステムのプライベートクラウド構築案件が増えICT需要が伸びています。更に、全業種的に大手法人のサイバーセキュリティの関心が高まり、新たな需要が発生してきています。

当社の第4四半期についてはICT分野の好転とは係わりなく、前四半期で2年間に及ぶ事業承継問題が解決したことから人材不足のセクションの梃入れに注力でき、売上24,997千円、前年同期比9.2%増と伸ばすことができました。
これを事業別にみますと、自社企画資料の売上については定番資料が予定通りに発刊され、予算通りに売れ、ほぼ横這いでした。新企画資料については12月に「5G基地局市場の予測とキャリア・ベンダの戦略」を上梓しましたが、結論は来期です。

一方、受託調査の売上については、案件数が6本と多かったことから68.0%増と大幅に伸長しました。比較的小型の案件が多かったのですが、新規開拓事業発見と営業政策作りが目的の、先を見通した内容の受託調査でした。
利益につきましては、営業利益2,832千円(前年同期9.7%減)、経常利益2,847千円(前年同期8.3%減)、四半期純利益2,155千円(前年同期34.4%減)と、前年同期と比べて減少はしていますが、営業利益率および経常利益率が10%を超え、全て黒字決算となりました。黒字決算の要因は売上増加によるものです。

2016年第3四半期(7-9月)の社長メッセージ
平成28年(暦年)の国内景気は3四半期連続、低調です。GDP数値で見ると、毎四半期、実質0.5%増以下と僅かな成長です。個人消費については、少子高齢化で貯蓄を取り崩して生活する高齢者が増え、消費手控え傾向が強まっています。設備投資については、大手企業は増えていますが、中堅・中小企業は円高に伴う企業業績悪化の予想から慎重です。

当社のドメインとするICT分野は全体的には横這いですが、業種によって動きが異なります。公共分野のマイナンバー案件や、金融分野のシステム統合・更新案件はピークを過ぎました。しかし、製造業分野では、建機や各種設備、医療機器などでIOT/M2Mを活用した遠隔監視システムソリューションの開発案件が実証実験も含めて増えてきています。また、流通・サービス業分野のPOSデータやソーシャルメディア情報を活用したBI及び需要予測の構築需要が高まっています 。

当社の第3四半期(平成28年7-9月)の売上につきましては、人員不足で売上計画予算が小さかった上に、企画倒れのプロジェクトがあり、昨年の第3四半期と比べて△26.1%と減少しています。人員不足とは、ここ2年、事業承継の後継者作りから会社運営が不安定になり、その間に中堅社員の3人が退職し、人材不足になったことです。なお、後継者につきましては本年8月1日開催の臨時株主総会において指名・決定しました。

上記第3四半期の売上を事業別に見ますと、自社企画資料につきましては前年同期比△23.3%と減少しました。企画倒れで売上不振の資料が2タイトルあり、これが足を引っ張りました。また、既述の人材不足から発刊時期が半年遅れた定番資料が1タイトルあり、ユーザーの予算活用のタイミングを逃しました。ただし、1-9月累計は前年同期比10.9%増と伸びています。

受託調査につきましては予算通りですが、前年同期比△76.2%と大幅減少しています。人材不足がここに最も端的に表れ、アグレッシブな提案営業が少なくなりました。受託調査はもともと受け身の営業になりますが、ベテランであれば自社企画資料制作の取材や営業の際、ユーザーの課題を発見し、提案ができます。後継者が決まり、人員も揃い、安定した経営環境となりましたので、人材育成をしつつ、昨年度に始めたマーケティングの再定義に再挑戦していきます。

これらの結果、当第3四半期の売上高につきましては、17,148千円(前年同期比26.1%減)となりました。利益につきましては、営業損失4,567千円(前年同期営業利益57千円)、経常損失4,566千円(前年同期経常利益64千円)、四半期純損失4,025千円(前年同期純利益20 千円)と、前年同期と比べて大きな損失となっています。要因ははっきりしています。ひとえに売上規模が小さく、採算割れしているからです。

2016年第2四半期(4-6月)の社長メッセージ
平成28年4-6月の国内景気については1-3月期に引き続き、低調です。個人消費は1-3月期がうるう年に伴う日数増があったことから需要をやや先食いし、横這いと推測します。また、設備投資につきましては政府の新たな経済対策決定が8月以降となることから、マイナスになると予測します。

当社のドメインとするICT分野の需要も低調です。サーバ、パソコンなどハードウェア売上がクラウドサービスの増大に伴って大幅に減少しています。また、大手銀行やグローバル製造業の基盤システム見直しがピークアウトしました。好材料の芽としては、製造業におけるIOTを活用した故障予兆を含む遠隔監視システム構築や、流通・サービス業のPOSデータやソーシャルメディアの情報を活用したBI及び需要予測のIT投資増加です。

当社の第2四半期(平成28年4-6月)の売上につきましては、昨年の第2四半期の28.1%減の反動から9.1%増と多少増えています。ただし、景気の先行き見通しがつかないことから企業ユーザーは大規模なマーケティング予算活用に慎重で、一昨年と比べると21.6%減とマイナスです。

これを事業別に見ますと、自社企画資料につきましては22.6%増と好調でした。第1四半期に作成した自社企画資料が第2四半期にピークを迎え、売上に貢献しました。ただし、一昨年と比べると14.1%減とマイナスで、新規テーマの2タイトルが計画倒れであったことが影響しています。

受託調査につきましては前年同期比11.5%減と減少しています。成約案件数は前年同期よりもかなり増えています。新たなニーズと製品を開拓する目的の調査案件が大半です。しかし大型案件が少なくなっています。金額面からは、受託調査は依然とマイナス基調が続いていると言えます。

これらの結果、当第2四半期の売上高につきましては、18,812千円(対前年同期比9.1%増)となりました。利益につきましては、営業損失1,126千円(前年同期営業損失4,427千円)、経常損失1,126千円(前年同期経常損失4,427千円)、四半期純損失874千円(前年同期四半期純損失4,470千円)と、昨年同期と同様損失ですが、マイナス幅が大幅に圧縮されています。要因は、売上増加と代表取締役社長の年俸削減と言えます。

2016年第1四半期(1-3月)の社長メッセージ
平成28年1-3月の国内景気は低調です。雇用・所得環境の改善は見られますが、個人消費については前年同期に消費税施行前の駆け込み特需があった反動もあり横這いです。設備投資については一部の大手企業で収益が改善され、新規事業や海外事業関連で増加していますが、企業全体としては中国経済の成長減速と財政・金融出動の手詰まり感から慎重になっています。

当社のドメインとするICT分野の需要も横這いです。大手銀行やグローバル製造業の基盤システムの見直しや、新規事業開拓のための大型システム開発案件が2015年12月までにピークアウトしました。マイナンバー関連需要は継続していますが、認証系のセキュリティ投資が中心で大きな案件は多くはありません。まだまだ小規模ですが、流通・小売分野でのビックデータ関連ビジネスも成長が続いています。

一方、当社の第1四半期(平成28年1-3月)の売上は、昨年の第1四半期の22.5%減の反動から17.6%増と増えています。ただし、景気の低調からマーケティング予算の消化に慎重で、一昨年と比べると9.1%減と、依然とマイナス基調です。

これを事業別に見ますと、自社企画資料につきましては22.9%増と好調でした。一昨年と比べても5.9%増と伸びています。一つは定番の自社企画資料が安定して売れたこと。もう一つは新規テーマで、マーケットインの自社企画資料をリリースしたこと。完成時期が3月末で売上貢献度は小さいですが、無ければ一昨年並みの売上規模に留まっていました。

受託調査につきましても前年同期比7.2%と増えています。ただし、一昨年の同期間と比べると30%減で、マイナス基調から増加に転じたかどうかは、今年度の第2四半期を見ないと結論が出ません。案件数も成約率も一段と増えており、定番受託調査に加えて、景気低迷だからこそ新たなニーズと製品を模索する新規案件が発生しています。

これらの結果、当第1四半期の売上高につきましては、28,444千円(対前年同期比17.6%増)となりました。利益につきましては、営業利益5,918千円(対前年同期比184.8%増)、経常利益5,924千円(対前年同期比183.8%増)、四半期純利益4,654千円(対前年同期比209.7%増)と昨年同期よりは大幅に増加しています。原因は、売上増加と代表取締役社長の年俸削減です。

▲ページトップへ