社長メッセージ―四半期別経済環境と事業動向

●2015年

2015年全般の社長メッセージ

2015年(暦年)の日本経済は、1-6月の上半期については、2014年4月の消費税アップの影響による個人消費低迷から抜け出し、企業の設備投資も改善され、景気が上向いてきました。ところが下半期については7月以降、物価上昇や中国の大幅な経済減速から腰倒れとなり、その後は個人消費も企業業績も不透明な状態が続きました。国内経済は通期で横這いでした。

一方、ICT市場については、1-6月の上半期は大手製造業のグローバル強化に向けたシステム基盤強化、金融機関の新規サービス対応のシステム開発、マイナンバー導入に伴うシステム開発などが好調でしたが、7-12月の下半期はそれらの大型システム開発案件がペースダウンしました。クラウドサービスは年間通して急拡大し、ビックデータ活用BIや需要予測等のIT投資は増えましたが、前述のシステム開発案件と比べると売上貢献度が低く、売上は微増程度に留まりました。国内ICT市場は通期で、当社試算で1~2%増でした。

当社の業績については、当25期の課題は、前年度で回復した受託調査先を繋ぎ止め、また制作タイトル数が少なかった自社企画資料を増やし、2期連続売上増加を果たすことでした。しかし、第2四半期に予算策定ミスから受託調査、自社企画資料とも大幅に売上が減少し、その影響から1-6月の上半期売上は前年同期比25.0%減と大幅減少となりました。これを取り返すのに下半期の2四半期を費やしましたが、それでも下半期の売上は5.9%減の減少で終わりました。

以上から、第25期通期売上は前年比16.0%減の87,535千円となりました。

これを事業別に見ますと、自社企画の資料制作については年間21タイトルで、期初の課題は達成しました。特に下半期は危機バネから12タイトルと多くなり、売上も3.1%増と増加しました。しかし、受託調査が28.8%減と、上半期と同様に大幅減少となりました。景気の不透明感が増してきたことから、ユーザーがマーケティング予算の執行を延伸し、それが影響しました。

利益につきましては営業利益837千円(前年同期4,562千円)、経常利益824千円(前年同期3,900千円)、純利益333千円(前年同期1,862千円)と辛うじて黒字決算となりました。通期売上が16.0%減でありながら黒字決算となったのは冬賞与原資削減と代表取締役の年俸カットによるものです。

なお、これで創業よりの経営三指針、「黒字決算」「社員昇給」「夏・冬賞与支給」を、25期連続達成することができました。

2015年第4四半期(10-12月)の社長メッセージ

平成27年10-12月の国内景気は、中国経済の減速と個人消費の低迷からGDP前年同期比、年率換算1.4%減(速報値)となりました。2015年(暦年)で2回目のマイナスで、GDPは一進一退を繰り返しており、日本経済は本格的な地力回復には至っていないと言えます。

当社のドメインとするICT分野においては、当社試算で横這いです。一部金融機関の新規サービス対応のシステム開発や、一部大手製造業者での今まで延伸していたシステムの統合・再構築などが前四半期から継続していますが、全体的には更新需要が中心です。更に、クラウドサービスのトレンドが顕著で、案件規模が小型化しています。

当社においては、第1四半期から第3四半期まで売上の二桁減少が続いていましたが、当四半期にようやっと底打ちし、売上22,898千円、前年同期比2.7%増と増加に転じました。年間決算が決まる最終四半期ということで危機バネが働いたことが要因です。

これを事業別にみますと、自社企画資料の売上についてはほぼ横這いでした。自社企画資料の制作タイトル数が年間21本に対して、当四半期で7本と多く、新規企画資料1タイトル、4年振りのリバイバル資料が1タイトルあり、売上に貢献しました。

一方、受託調査の売上については43.0%増と大幅に伸びました。ただし、前年同期が68.9%の大幅減少で、その反動からくるものでした。売上としては2015年の各四半期の中で最も小さな規模です。小型案件が多く、総売上全体を押し上げる牽引力にはなりませんでした。

利益につきましては、営業利益3,129千円(前年同期営業損失695千円)、経常利益3,100千円(前年同期経常損失1,399千円)、四半期純利益3,281千円(前年同期純損失2,731千円)と全て黒字決算となりました。黒字決算の要因は冬賞与原資削減と代表取締役の年俸カットによるものです。

2015年第3四半期(7-9月)の社長メッセージ

2015年7-9月の国内景気は、前四半期に予想した通り4-6月に引き続き横這いでした。実質賃金及び夏賞与の上昇により個人消費は微増に転じましたが、設備投資は中国やアジアの経済減速が長引き、減少しました。国内企業、特に製造業は依然とアジアシフトが続いています。

当社のドメインとするICT分野は全体的には横這いですが、前四半期に引き続き金融分野の新規サービス対応のシステム開発や、製造業分野での今まで延伸していたシステムの統合・再構築需要があり、伸びています。またBtoC企業においてはビックデータやデジタルマーケティングの案件化も進んでいます。

しかし、市場調査業界は成熟市場で、従来型のマーケティング、つまり市場動向・予測・ベンダーシェア及び企業戦略の情報提供だけではユーザーのベネフィットに応えられなくなってきており、ここ1年、マーケティングの再定義が求められてきていると考えています。

マーケティングの再定義を構想する中、従来型市場調査のスタイルだけの提供しかできず、依然と業績が低迷しており、当四半期の総売上は23,189千円の△13.1%の減少です。これで3四半期連続の売上減少となりました。

これを事業部別に見ますと、自社企画資料につきましては、定番企画の5タイトルを発刊し、前年同期の売上が△17.6%と減少した反動もあり、10.1%増の売上16,939千円となっています。しかし、第1四半期からの累計売上では△11.1%と減少しています。

依頼調査につきましては、新たな顧客も開拓しましたが、前年同期の売上が28.0%増と増えたこともあり、売上が△44.7%減の6,250千円と、ここ10年間で最も小さな売上規模となりました。マーケティング再定義の目途をつけ、来期に向かってビジネスモデルの再構築をしていく計画です。

これらの結果、当第3四半期の総売上高につきましては、23,189千円(対前年同期比13.1%減)、利益につきましては、営業利益57千円(前年同期営業利益1,110千円)、経常利益64千円(前年同期経常利益1,119千円)、四半期純利益20千円(前年同期純利益1,076千円)となりました。営業利益、経常利益、純利益の大幅減少は総売上の減少によるものです。

2015年第2四半期(4-6月)の社長メッセージ

2015年4-6月の国内景気はグローバル製造業者を先頭に企業業績が好調でしたが、2四半期増勢となっていたGDPは一転、実質0.4%減と歯止めがかかりました。食料品などの値上げから個人消費が低迷したことと、中国を中心とした海外経済の減速から輸出のペースが落ちた為とされていますが、GDPは昨年から一進一退を繰り返しており、本格的な地力回復までには至っていないと考えられます。

一方、当社のドメインとするICT分野におきましては、金融分野の新規サービス対応のシステム開発案件や、製造業分野での今まで延伸していたシステムの更改需要、更に両分野におけるグローバル競争に向けたシステム基盤強化案件などがあり、当社試算で前年同期比1.9%増の市場動向となります。

しかし、大型システム案件が多く、きめ細かなニーズと競合状況を調査するマーケティング予算の増加には結びつきませんでした。弊社の第2四半期(4-6月)はほぼ予算通りではありましたが、予定以外の思いがけない案件はなく、前年同期比28.1%減と採算ラインを割り込みました。

これを事業別に見ますと、自社企画資料につきましては競合先とのバッティングがあり、29.8%減と厳しい状況でした。制作タイトル数は前年同期よりも増えていますが、ヒット商品が少なくなってきています。

依頼調査につきましては昨年第2四半期の141%増の反動があり、28.1%減となりましたが、2013年4-6月期と比べれば79.9%増と増えています。

これらの結果、当第2四半期の総売上高につきましては、17,249千円(対前年同期比28.1%減)、利益につきましては、営業損失4,427千円(前年同期営業利益377千円)、経常損失4,427千円(前年同期経常利益386千円)、四半期純損失4,470千円(前年同期純利益341千円)となりました。

大幅な損失は28.1%の売上減少が最大要因です。ここまで大幅減少すると、代表取締役社長の年俸カット継続や従業員減少による給与総額減だけでは対応できませんでした。

2015年第1四半期(1-3月)の社長メッセージ

平成27年1-3月(第1四半期(1-3月))の国内景気はGDP前期比実質2.4%増と、2四半期連続プラス成長しています。雇用・所得環境の改善により前四半期に引き続き個人消費が堅調なこと、一部大手企業で収益の改善から設備投資が増加していること、更に円安を背景に海外生産から国内生産にシフトする輸出型製造業が増えているからです。

当社のドメインとするICT分野においては全般的に上向いています。大手銀行、グローバル製造業でこれまで抑制していた基盤システムの見直しや、新規事業開拓のための大型システム開発案件が継続しています。マイナンバー関連需要については官公庁・自治体から民間分野にシフトしてきています。流通・小売分野でのEC開発やビックデータビジネスは開発・解析要員が逼迫している状況です。

一方、弊社の第1四半期(1-3月)は、昨年の第1四半期(1-3月)の52.7%増の反動から22.5%減と厳しい状況です。 一昨年と比べれば18.4%増です。商談件数は昨年以上ですが、成約率が悪くなっています。

これを事業別に見ますと、自社企画資料につきましては13.7%減でした。 制作タイトル数は昨年同期より増えていますが、お客様のニーズにフィットしていない部分があります。当社は1人の研究員が、一つの自社企画資料を制作するに当って、業界のキーマンとの接点が「取材」と「営業」の2回ありますので、今後はもう少し顧客のニーズを汲み取り、マーケット・インのテーマ及び企画内容を検討していきます。

受託調査につきましては35.3%減と更に大幅減少となりました。 前年同期が2.9倍と大幅増加した反動が大きいですが、調査企画提案件数と比べて成約率が悪くなっている面もあります。自社企画資料の価格は19年来同じ価格で対応し、市場調査業界のプライスリーダー的ポジションですが、受託調査については今後、価格と内容に関して柔軟性をもって対応していきます。

これらの結果、当第1四半期(1-3月)の売上高につきましては、24,197千円(対前年同期比22.5%減)となりました。利益につきましては、営業利益2,078千円(前年同期営業利益3,770千円)、経常利益2,087千円(前年同期経常利益3,794千円)、四半期純利益1,502千円(前年同期四半期純利益3,175千円)と昨年同期よりは減少していますが、黒字となりました。原因は、人員減少による固定費削減です。

お陰様で、社員昇給を25年間連続実現することができました。しかし、2013年度の営業利益ベースでの赤字決算の責任を取って、2013年4月から実施している 代表取締役社長の33%年俸カットについては、今期の売上・利益予測を踏まえ、今後も継続することとしました。

▲ページトップへ